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21世紀の教育をめざして・・・

21世紀の教育をめざして・・・

新・新年度の指導その3・4月~7月

新・新学期の指導4月~7月編

■4月22日
学級目標を決めました。
1年間をとおしてみんなで達成すべき目標です。

「行為を鍛え合う 『加速』する学級」
「話を聴き合う あたたかい学級」
この2つです。
教室前面の黒板の上に掲示しました。

「行為を鍛え合う 『加速』する学級」は、生活面の目標です。
「行為」「鍛え合う」「加速」という言葉の意味を、みんなで確認しました。

「行為」とは些細な身のこなしも含むということ、
「鍛え合う」とは互いにけん制しあう注意も含むということ、
「加速」の説明では、
何事もすぐには変化はみられないかもしれないが、
努力を続けていたら必ずその成果があらわれるということを、
成長曲線をかいて理解させました。

「話を聴き合う あたたかい学級」は、学習面の目標です。
「聴く」と「聞く」の意味の違い、「あたたかい」とはどのような学習状態なのか
を考えさせました。

「聴く」ための体と頭はどのようになっているのか、
「あたたかい」という状態とは、
話し手と聞き手がどうなっているいることなのか、
今までの授業場面を思い出させて理解させました。

最後に、
目標が単なるスローガンで終わらないように具体的な事実を大切にしよう、
ということを確認しました。

「加速」し続ける「あたたかい」学級をめざして教室が動き始めました。

■4月23日
昨日書いた学級目標の続きです。
学級目標は年間目標です。つまり、1年間かけて達成するべき目標です。
私の学級では、その年間目標を達成するための学期ごとの目標も示します。

「話を聴き合う あたたかい学級」という年間目標を達成するために、
1学期の目標は、
・パッと反応する
・書いたら発表する
・「なぜ?」「例えば?」と考えながら聴く
という内容にしました。

教師や友達の指示や話に、「パッ」と反応できる子どもにしたいものです。
よく「作業が遅くて・・・」「学習に時間がかかって・・・」ということを耳にしますが、
その多くは取りかかりが遅いのです。
「教科書の○ページ、5行目を押さえなさい」
と指示されたらパッとそれができる子ども達にしたいのです。

子どもは基本的に書いたことしか発表できません。
逆に言えば、書いたことは発表できるのです。
ですから、まず、書かせます。そして、「恥ずかしい」という気持ちをなくすために、
「書いたら発表する」というルールを徹底させます。
全員が、発表できる学級にするのです。

話し方の指導は、いろいろと工夫されるようになってきました。
しかし、聞き方の指導は意外となされていません。
「姿勢よくしなさい」「黙って聞きなさい」といったしつけレベルの指導が中心です。このようなしつけ指導だけにならないで、思考力も鍛えるために、
「なぜ?」「例えば?」と考えながら人の話を聴くようにさせるのです。

■4月24日
年間目標「行為を鍛え合う 『加速』する学級」の学期目標に、
「『よーし』、という考え方をしよう」というものがあります。

「よーし」とその反対の「えー」という2つの言葉の違いを考えさせました。

『<よーし>の後にはどんな言葉が続くでしょう』
このように聞くと、子どもたちは次のような言葉を考えました。
・がんばるぞ
・大丈夫だ
・負けないぞ
・やってみよう
・できるまでするぞ
・・・・・・
全て、+(プラス)の言葉です。

『では、<えー>の後にはどんな言葉が続くでしょう』
同じように発表させました。
・いやだなぁ
・したくない
・だめかもしれない
・またかぁ
・なぜしないといけないの
・・・・・・
どれも-(マイナス)の言葉です。

『あなたは、<よーし>と<えー>のどっちの言葉を大切にしたいですか』
最後にこのように聞きました。
全員が「よーし」に手を挙げました。
その瞬間、学級が少し「加速」したように感じました。

■5月2日
GW明けから、プラスちょっとした一言週間という取り組み
を行おうと考えています。
・おはよう+一言
・ありがとう+一言
・○○君・さん+一言
といった感じで、ちょっとした一言を付け加えて友達と接しようという取り組みです。
時々教室で行います。

この取り組みをしていると、次の二つのことがうれしいことが起こります。

1.「プラス」の一言がどんどん増えてくる
 「今日もがんばろうね」「大丈夫?」「それいいね」「よ  かったんじゃない」
 といった前向きな一言が増えてくるのです。

2.お互いが一言を添えるようになってくる
 A「ありがとう。もういいよ」
 B「○○さん、よかったね」
 といった感じです。
 最初に声をかける子どもだけではなく、それに答える子ど
もも「プラス」の一言を添えるようになってくるのです。

教室があたたかい空気に包まれるとうれしいものです。

■5月16日
表現することの喜びを教えたいと思っています。
表現するということは、自己拡大と他者理解が進むということです。
技術的な指導だけではないということです。
特に小学校の場合は、「表現することを通して
自分を豊かにし他者との結びつきを強いものにする」
という視点は重要であると考えています。

『スピーチ指導の評価をどうしているのか?』
という質問をよく受けます。
多くの場合は次の5つの話をします。

・内容について
 これは、「何を」話したかということです。
 ポイントは、その子らしさとユーモアです。
 自分らしく楽しくです。
 子どもらしい「個」を育てたいと考えています。

・構成について
 「どう」話したかということです。
 基本的には「型」に入れて話させます。
 「型」→「自由」→「型」→・・・のくり返しです。

・声について
 「出る声」ではなく「出す声」になっていたかということです。
 「ちょうどよい大きさの声で話す」というめあてで1時間の指導もします。
 それほど声についての指導は重要です。
 他者とのつながりは声によって行われるからです。

・表情について
 姿勢との関連もあるのですが、私は表情を特にほめます。
 笑顔で話せる子どもを育てたいからです。
 ですから、ほんの一瞬の笑顔も大きく取り上げてほめるのです。
 一歩前に出ようとする本人の気持ちを読み取るのです。

・聞き手として
 聞き手もほめます。話し手と一緒になって楽しんでいる様子を
 具体的にほめます。
 感想には、話し手としての自分と聞き手としての自分の両方を書かせます。
 そして、自己理解や他者理解が進んでいる子どもの感想を紹介します。

■5月18日
先日、代表委員会がありました。
4年生以上の各クラス代表2名と各委員会の委員長が参加していました。
話し合い終了後にコメントを求められたので、少し厳しく3つのことを話しました。

1.今することを考えなさい
 「意見はありませんか?」と聞かれているのに、
メモをしている子どもが何人かいました。黒板を写しているのです。
「書くという行為に逃げている」子ども達です。
 考えて話す時と写す時の区別をしなさい、ということです。
 女の子に多い現象です。
 次からはしないということを確認しました。

2.「なぜ?」と考え質問しなさい
 意見は判断ですから必ずその根拠となる理由があるはずです。
 その根拠をしつこく聞いてより質の高い判断をしようとしないのです。
 「なぜ?」の質問ができないのです。学年が上がるほどできないような気がしました。
 実際の意見をもとに質問例をいくつか出して考えさせました。

3.水が流れるように意見を出しなさい
 「2分間考えてください」という司会者の言葉が何度かありました。
が、意見はあまり出ませんでした。
 意見の数=学年×時間(分)
であると教えました。

 次回の話し合いは、大丈夫でしょう・・・。楽しみです。

■5月19日
「みんなの前であいさつをしてくれる人?」
と呼びかけます。教室前に出て、みんなの前であいさつをする人を決めるのです。朝と帰りです。
4月当初はモジモジしていた子も多かったのですが、今では、一斉に勢いよく手が挙がります。
『1歩前に出なさい』ということです。

簡単なことのようですが、
・自分から手を挙げて
・みんなの前に出て、
・「起立」「気をつけ」の号令をかけて、
・全員がそうしたことを確認し、
・はっきりと「おはようございます」(「さようなら」)と言い、
・みんなからのあいさつを全身で受け止める。
ということをするのは、なかなかできるものではありません。

『1歩前に出る』ことができる子どもにしたいものです。
このことは、
・みんなのために
・自分から
・行動する
ということです。1年間全てにおいて要求することです。
学級の柱です。

■5月21日
教室では、みんなのために自分がしたことを小さなカードに書く、という活動を行っています。
・男子のトイレのスリッパを並べた
・友達の書いた文字の間違いを教え、一緒に辞書で調べた
・ぞうきんがそのままになっえいたので片付けた
・○○君の落としていたノートを拾ってあげた
・・・・・・・・
といった自分のしたことを、教室備え付けのカードに書くのです。
そして、それを私のところに提出し、コメントをもらって教室後ろの掲示板に掲示するのです。

先日のこの日記にも書いた、
・みんなのために
・自分から
・行動する
という取り組みの一つです。

その私のコメントには、いくつかのパターンがあります。
もちろんほめることが中心ですが、「挑発する」という
内容もあります。例えば、
・1週間続けられますか?
・行動のレベルを2ランク上げることはできませんか?
・その行動は君の全力の何パーセントですか?
・・・・・・・・・
などです。

ほめて、挑発して、・・・・
その子のその時に合った言葉を考えています。

■5月23日
運動会が終わりました。
2週間の練習の成果をよく発揮しました。
最後の教室での話が終わったさよならの後に、
「先生、さようなら」
と、わざわざあいさつをしに何人も来ました。
子どもらしい明るい声でした。満足感があったのでしょう。

2週間前の練習開始の時に、
「何のために練習をするのか?」
と、5年生全員に聞きました。考えさせました。
「立派な演技をするため」
『それもあるだろうけれど、違う』
「スポーツに親しむため」
『そのようにも考えられるが、違う』
・・・・・・・・・・
最終的には、
『自分の成長のため』
ということを確認していました。

そして、
『自分のどのような力を成長させるのか?』
と聞いていました。例えば、
・みんなと協力する力
・きつくても最後までやりぬく力
・ビシッとする時は、ビシッとする力
・・・・・・・・・
などでした。

やり終えた子ども達は、誇らしげでした。
どの子も自信を持って帰っていきました。

■5月25日
社会科の時間に
「なぜ、新潟県の六日町は米作りがさかんなのか?」
という学習をしています。

まず、予想を立てさせました。
つまり「意見」を出させたのです。
なかなかおもしろい意見が出てきました。

それらをほめた後、
「これらが本当かどうか確かめたい。
 何があればいいですか?」
と問いました。
子ども達は、それらを証明する「事実」が必要であると気づきました。
そのためには教科書や地図帳などで調べないといけないことも理解しました。

意見と事実の関係は難しいものがあります。
証明するという作業が理解できない子どもも多いのです。
そこで、
「意見の段階は、毛利小五郎のようなものです。
 予想で話すから真犯人が分かりませんね。
 みんなにはコナンになって欲しいです。
 本当のことを一つひとつ調べて、
 真実を見つけていってください。
 毛利小五郎からコナンになるのです。がんばりましょ う。」
と話しました。

子ども達は、にっこりと笑って聞いていました。

大人の言葉を子どもに分かるように話すということは、
「ようするにどういうことか」が分かっていないといけないので、
指導する時の大きなポイントです。難しい・・・。

■6月7日
「話を聴き合うあたたかい学級」が、学級目標です。
1年間かけて達成すべき目標です。
そのために、「聞くこと」についてもしつこいぐらいに
次のような「日常指導」をしています。

・1回で人の話は聞きなさい。
・となりを見て確かめるのではありません。自分の耳で確か めるのです。
・話し手が喜ぶ姿勢で聞きなさい。
・おへそを話し手に向けなさい。
・うなずきながら聞きなさい。
・うなずきながら聞いて、思ったことが言えますか?
・笑顔で聞きましょう。
・拍手の用意をして聞きましょう。
・腰に力を入れて聞きなさい。

・復唱できるように聞きなさい。
・「なぜ?」と考えながら聞くのです。
・「例えば?」と質問を考えながら聞きましょう。
・話の後に質問をしてもらいます。
・質問するためにメモをしながら聞きましょう。
・おかしなところを見つけながら聞きなさい。

・自分の考えとの違いを言えるようにします。
・自分の考えと同じところを後で発表してもらいます。
・指を折りながら聞きましょう。
・発表はいくつの文なのか文の数を数えなさい。
・今の発表で不足していることはどんなことですか?

・今の発表は5点満点で何点ですか?
・今の発表を一言でまとめて言える人?
・今の発表のよさは何ですか?

時々、
「話の聞けない人と一緒にいると時間の無駄です。」
と言って、厳しく「考える」ことも要求することはあります。
それぐらいに、「聞く」という学習行為は重要であると考えています。
学級目標の達成をめざしています。

■6月22日
1学期も残すところ1ヶ月となりました。
いつまでも「子ども達のことを理解しよう」「学級のまとま
りを作ろう」だけではいけません。
(今もそうであるなら・・
 きっと1年間同じことをしているだけでしょう)
「加速」「前進」「進化」していかなければいけません。

・・・・ということで、
私の学級では「討論指導」が中心となってきました。
討論のできる学級は相当な力があるといえます。

この時期でのポイントは、
・誰に話しているのか(相手意識)をはっきりとさせる。
 「○○君の・・・という意見に対して」
 「Aという意見のグループに対して」
 といった発言が必要なのです。
・何のために話しているのか(目的意識)をはっきりさせる。
 「・・・・・です」
 と言い切らせることが鉄則です。(「・・思います」を
 やめさせるのです。)
 「質問です」
 「反対です」
 これらをはっきり言わせ、活用させます。

もちろん討論後のふり返り(反省・評価)もキチンとさせま
す。
知的な力をつけ、子ども達を成長させなければいけないから
です。

学級を「加速」させていく時期になってきました。
残りの1ヶ月を大切にしていかなければいけません。

■7月6日
「ルールのルール」を学級では決めています。
つまり、みんなで決めたことが守れなかった時のルールも決めているのです。
最近、この方法を知りました。とても「便利」です。

例えば、「自習中に静かにする」と決めたならば、
それができなかった時に「○○をする」と決めておくのです。

この方法は意外といいです。子どもには(も)ききます。
多くの場合は、一つのルールが守れなかった場合しか
「みんなのルール」を決めていませんから・・・。
それが守れなかった場合のルールを決めていないのです。
そのような場合は、いらぬお説教をしてしまうものです。
それでは子ども達にマイナスです。
「また怒られた」しか残らないからです。

「他者がいる」
「多くの人の中に自分もいる」
ということを教えるにはこの方法がいいのです。
みんなで次の次を決めておくのです。
ルールを決めたらそのルールを破った場合も決めておこう、
ということも考えておきたいものです。

このようなルールを決めておくと、
教師が気になる子ども達の普段の様子も変わります。

■7月9日
先生が指名するのではなく、子どもが自分から立って話すようにしています。
学級では何でも「自分から」なのです。

例えば、朝の健康観察では、
「おはようございます。元気です。」
などと、自分から立って話すのです。

そのままだとすごいスピードになり健康状態の確認ができないの
で、少し長めに話すようにさせます。
例えば、今日は、
「今日の自分の体調と、夏休みに頑張りたいことを話しなさい。」
と指示しました。
・おはようございます。水泳で50メートル泳げるように頑張ります。
・おはようございます。家のお手伝いを決めた時間に毎日します。
・・・・・
などと、一人一人が自分から立ち上がって話すようにさせるのです。

先生から指名されて話すのと、
自分から立って話すのと、
同じ内容であっても子どもの意識は全然違うようです。
緊張感が違うのです。
もちろん話してだけではなく聞き手の緊張感も違います。
教室の中がビシッとなります。

■7月10日
班やグループ、係活動で小集団の活動を行うときがあります。
原則としてその活動内容を全員に報告させます。
そのような時は、機械的に代表者を指名して教室の前に出させます。
教壇に座らせて、話す=報告した子どもから自分の座席に帰ってよいことにしています。
子ども達は、速く戻りたいので頑張って話します。
自分から教壇から立ち上がって話し始めます。
1番最後にはなりたくないので・・・・。

■7月11日
学級の中にあるルールがあります。
それは、
「(ノートなどの)書いたら発表する」
というものです。
つまり、書いたことは原則として必ず話すということです。
自分から発表させるのです。

職員室でよく耳にする言葉があります。それは、
「○ちゃんは、ノートにはいいことを書いているんだけど、
 発表してくれないので・・・。」
といったことです。
恥ずかしがるのでしょうか・・・。

そのようなことにしないためにも、学級では、
書く=発表にしているのです。
このようなルールは〔年度始め〕にキチンと決めておくのです。
子ども達とルールを決めるときに、
「恥ずかしいといって何もしないことを恥ずかしいというのです」
と話して聞かせて。

■7月13日
子ども達にたくさんのことを聞きます。
その時に、「答え方」に大きく分けて2通りのタイプがあります。

1つは、言葉を発しないで「しぐさ」だけをするタイプです。
分からなかったり自信がなかったりする時に、首をかしげるようなしぐさをするタイプです。
何かを「察して」欲しいというしぐさをするのです。

もう1つは、はっきりと「言葉」で答えるタイプです。
「はい」か「いいえ」を最初に言うことができるタイプです。
自分から伝えようという気持ちを言葉に表すのです。

どちらのタイプがいいのかは、問いの内容やその場の状況によっても違いますが、
授業中は後者の子どもの方がいいようです。

子ども達に、この1学期間、
「しぐさでは分かりません。言葉で答えましょう」
といい続けました。

■7月14日
当たり前のことですが、
「~ですか?」
と聞いたときには、
「~です」
と答えさせています。

ところが、
「~ですか?」
と聞いているのに、
「~」
という子どもの発言を許している先生がいます。

何でもないようなことのようですが、
この「差」はとても大きいです。

■7月15日
1学期の期末個人懇談会が終わりました。
暑い中、たくさんの保護者の方と話をすることができました。
「子どもの事実」を中心に話ができるということは幸せなことです。

その話の中に、
「家で子どもが、『先生は厳しいけれど、おもしろい』
 と言っています」
という内容をよく聞きました。
教室での私のことをうまく表現している言葉だと思いました。

ダメなことはダメだという厳しさは必要です。
「まぁ・・・仕方ないかなか」
「とりあえず・・注意はしておこうか・・」
といった指導は十分とは言えないのです。
キチンとした方向を示し、
子ども達を実際に動かさなければいけないのです。
そこには「当然」厳しさもついてくるものです。

でも、厳しいばかりでもいけないのです。
「ユーモアは学力である」と言った有名な先生がいます。
教室に笑いをということです。そのとおりだと思います。
適度に「笑い」も必要なのです。
両方必要なのです。教師としてののセンスが問われるところです。
知的な笑いは必要なのです。

厳しさと笑いのある教室にしたいものです。
知的で無邪気な「ほんわか」とした学級が理想です。
■7月16日
昨日に続いて個人懇談会で話題になったことです。
それは、
「先生の授業は、緊張感のある授業ですね」
ということです。
「教室の授業中の空気が今までとは違います」
とも言われました。
1学期に何回か行った参観日の授業の感想だそうです。

なぜそのように感じられたのか?
短い時間でしたがいろいろ話しました。
以下のような、いくつかの理由があるようです。

1.スピードが速い
 例えば、
 ○話すスピードが他の先生とは違って速い
  速いけれども子ども達はよく聞いている。
  ・子ども達が慣れている
  ・1文が短いので理解しやすい
  ・話した後に確認の指示が入るので間違えない

 ○作業の時間を示して、テンポよく進める
  無理なく子ども達を時間で追い込んでいる。
  ・○分○秒まで決めている(?)
  ・よい意味の競争を子ども達に仕向けている
  ・早くできた子どもをほめている
  ・遅い子を必要以上に待っていない

2.考えないといけない(ぼんやりできない)
 例えば、
 ○全員に判断を要求する
 基本的に手を挙げた子どもを指名するというスタイルでは
 ない。誰が指名されるのかが分からない。
 その上、先生には「当然答えられるはず」という空気を出
 している。
 これは、今までの授業がそうだったのでしょう。
 日頃の授業の様子も分かります。

 ○自分の判断を書かせ、必ず挙手で確認する
 「ノートに書きなさい」が多い。それもすぐに書ける  
 (?)「○か×」「AかB」といった内容である。
 書かないといけない(判断=自分の考えを決める、しなけ
 ればいけない)状況をたくさん作り出している。
 子ども達は、先生や友達の話を聴いておかないと、
 自分の判断をすぐにできない授業である。
でも、ゲーム的な要素があり、子ども達は楽しんでいる。

3.子ども同士を「からめる」
例えば、

■7月18日
1学期に話したこと・させたことの第1回は、姿勢に関する
ことです。学習の基本として考えていることです。

「腰に力を入れなさい」
とよく言いました。
子ども達の姿勢が良くない時に何度も言いました。
座り方がふにゃふにゃだったのです。
腰に力が入っていなかったのです。
話を聞く姿勢、学ぶ姿勢ではなかったのです。
そこでよく言ったのが、
「腰に力を入れなさい」
だったのです。

ただ活動するだけではなく、
「学習」するためには聞ける力と態度が必要なのです。
その聞く力、態度を育てるために、他には、
「背を3センチ高くしなさい」
「5年生らしくビシッとしなさい」
「最高の姿勢をしなさい」
「堂々としなさい」
などとも言いました。
すべて姿勢に関することです。
学習するにふさわしい「姿勢」を当然しなさいということです。

厳しくは、
「そんな(良くない)姿勢で、何ができるというのですか」
「人の話が聞けない人と一緒にいると時間の無駄です」
と言ったこともありました。

女の子でも足を開いて座る子がたくさんいました。
机に近づきすぎて窮屈な座り方をしている子もたくさんいました。
「お嬢さんは足を閉じますよ」
「拳1つ分開けなさい」
とも個別に注意しました。

腰に力を入れさせ、良い姿勢を確認した後で、
「高学年であれば、15分間ぐらいはその姿勢で話が聞けるものです」
とも話しました。
(ちなみに低学年では5分間はキチンとした姿勢で聞ける子どもにしたい)
体力も気力も必要です。
そのあたりを含めながら「厳しさ」を出さないと子どもは変わりませんね。
夏休みあけもしばらくは同じことを言うでしょう。

「腰に力を入れなさい」

夏休みあけに、少しだれている子ども達に、またしばらく言い続けます。学習の「第1歩」ですから。一言注意したからといって「できる」わけはないですから・・・。

■7月20日
この日記の最初の頃にも書いたことですが、子どもの声は、
・小さくて
・速い
という欠点があります。
「出す声」になっていないのです。ただ「出る声」なのです。
教室の中に伝わらない声なのです。
このようなままでは学級みんなで学習はできません。

授業中に指名して、その子が話し始めるその前に、
「はきはきと、美しい日本語で」
と何度も言いました。ビシッと言いました。
つまり、
「○○君」
と指名したすぐ後に、
「はきはきと、美しい日本語で」
と言うのです。
本人が発言するまでのほんの数秒もない時間です。
子どもは、私のその声を聞いて話し始めるのです。

何でもないようですが、これを言うと声が違ってきます。
少しは「出る声」ではなく「出す声」になるのです。
みんなで学習するために必要な発言になるのです。
発言前に「ドキッ」とするのでしょう。
そして、自分の発言の「みんなへの影響」を考え始めるのでしょう。
明らかに声が違っていました。

そもそもみんなへの発言をするはずなのですから、
これぐらいの「ドキッ」は必要です。学習ですから・・。
みんなと一緒に教室で学習しているのですから、
「出す声」で話すべきです。

「はきはきと、美しい日本語で」

■7月20日
あいさつについても「しつこく」指導しました。
基本的には、「楽しく厳しく」でした・・・。
あいさつは明るく笑顔で元気よく!と考え指導したのです。
子ども達は一生懸命に自分の持っている力を発揮していました。

4ヶ月たちました。
とてもいいあいさつのできる学級に成長しました。
たいしたものです!!

そんな学級のあいさつに関することで、
東京のとおる先生からうれしい応援がありました。
いつもいつも感謝です。

その内容をお知らせします。
代官山おせっかい塾の「毎日おはよう」からの引用です。
http://www.osekkaiz.com/
学級のあいさつ運動に関する応援です。
笑顔いっぱいで読ませていただきました!
明日から始まる「夏の教室」で子ども達にも紹介しようと
思っています。

以下、引用です。

7月20日(火ようび)
おはよう、こどもたち。

祝♪「全国あいさつ運動推進連盟」誕生!!

北九州の小学校から、すんごい運動がはじまったぞ!とおど
ろいていたら、仕掛け人は、やっぱり菊池省三先生でした。
中心になったのは、なんと5年生。初代メルマガキッズが卒業
して、二代目メルマガキッズのテーマを考えているとき、こ
の企画は生まれたようです。なにしろ、全国という「発想」
が抜け出ています。あいさつは人間の基本です。あいさつが
きちんとできれば、相手も心を開きます。それによって、
「自分の世界や可能性」が大きく広がるのです。こども同
士、大人に対して、きちんとあいさつできるようにしたいも
のです。


以下省三先生からの情報です。

学級にある団体ができました!
その名は「全国あいさつ運動推進連盟」です。
あいさつに力を入れている子ども達が中心となって、
先週発足させたのです。

もちろん(?)本人達は真面目です!
「『全国』と名前をつけたのだから全国組織にするんだ!」
「会員をドンドン増やして、大きな運動にしよう!」
と燃えています。

組織ですから、会長もいます。メルマガでは「タクリン」
というペンネームの男の子です。副会長もいます。
先週金曜日の時点では「5名」でした。

会長の彼からのメッセージです。

***************************

みなさん、こんにちは。
私は、「全国あいさつ運動推進連盟」会長の○○○○です。
私は、子ども達のあいさつをもっといいものにするために、
「全国あいさつ運動推進連盟」を作りました。

そこで、みなさんにもこの運動に参加してほしいと思っています。
下に書いてある目的に賛成してくださる方は、ぜひ会員になってください。
全国に気持ちのいいあいさつを広げていきましょう。

                会長 ○○ ○○

目的
1.毎日みんなに自分からあいさつをする。
2.笑顔で元気よくあいさつをする。
3.あいさつをしていない人がいたら
  「あいさつをしよう」と声をかける。
4.あいさつのよさを多くの人に伝える。
5.毎週1回、あいさつについて考える。

***************************

以上です。

もし参加ご希望の方がおられましたら、
菊池のところまでお知らせください。
少しでも会員が増えると、会長も喜ぶだろうと思います。
1.お名前
2.学校名(県名など)
3.ひとこと を記入して、メールでお願いします。
菊池省三:mailto:s.kikuchis@jcom.home.ne.jp
みなさんのご参加を楽しみにしています。

以上


こどもたちを結ぶ、キッズコミュニケーションが
全国に広がることを願っています。
ガンバレ、二代目メルマガキッズ!!!

以上です。

現在会員は61名です。
会長のタクリン君もがんばっています。
みなさん、応援してくださいね。

「あいさつは明るく笑顔で元気よく!」

■7月22日
教師の役割の一つに、「つなぐ」という作業があるように思います。
・以前と今をつないで子どもの成長を見る
・あることと子どもをつないで子どものよさを教える
・ある友達とその子どもをつないでお互いのがんばりに気づかせる
といった子どもの見方です。
教師は「つなぎ役」だとも思います。

「以前よりもよくなったよ」
というつなぎ方=ほめ方をします。
それは、個人のことであったり、学級のことであったりします。
点と点をつないであげるのです。

子ども(達)は、成長を自覚してきます。
そうすると「加速」し始めます。
どんどん成長し始めるのです。

子どもや学級を連続したものだと考えて、
「以前よりもよくなりました」
と肯定的にとらえてあげることが大切です。
自信を持って前進できるようにしてあげるのです。

2学期も言い続けます。
「以前よりもよくなりました!」

■7月23日
教室の中では、みんなでいろいろな事をします。
子どもにとっては、好きなことや得意なことだけではなく、
嫌いなことや不得意なこともあるでしょう。

何かをするときには、
「やる気のある人だけ~しましょう」
とよく言いました。
逆を言えば、
「やる気のない人はしなくてもよい」
ということです。
「やる気のある人だけ」という所を強調して話すのがポイントです。

この言葉を言うと、子どもたちはどうするか・・・。どうなるか・・・。

全員がそのことをするようになるのです。
嫌いなことも不得意なことも。
つまり、自分で前向きに行おうと決めたことになるのです。
当然、その後の行為が変わってきます。
軌道に乗ってくると、一人ひとりの子どもだけではなく、
学級にも「勢い」が出てきます。
不必要な教師の小言もなくなります。

「やる気のある人だけ~しましょう!」

■7月24日
・・・今日の「1学期によく話したこと・させたこと」です。
それは、「さすが○○君。~がいいね」です。

その子のプラスの行為に対してすかさず言いました。
・小さなことでも
・力強くスパッと
・すぐに言う
というのがポイントのようです。

本人は無意識に行った行為がほとんどだったと思います。
子ども達は、私がそう言うとビックリしてニッコリしていました。

「さすが○○君。~がいいね」
と言った後に、
「ありがとう」
「そこが○○君のいいところだね」
「うれしいよ」
などと一言付け加えます。
素敵な笑顔を見せてくれます。
ほめることによって子どもも育つのでしょう。

「さすが○○君。~がいいね」

■7月25日
「先生、これしていいと?」
「先生、~したんよ」
子ども達と4月に出会った時は、こんな話し方が普通でした。

このような「友達言葉」をつかう子どもが、年々増えてきているようです。
私的な言葉です。公の言葉が適切につかえないのです。

これを直すのには時間がかかります。(かかりました)

言い直しをさせるのはもちろんですが、
正しい文章を音読させたり暗唱させたりさせました。
それでも出てきた場合には、
「先生は、君のパパじゃないよ」
と、言い返したりもしました。。。

このような状態をほっておいたら、
学級という集団の質も高まりませんし、
学習の質も深まっていきません。

みんなで生活、学習していくための第1歩は、

「~です。~ます。」

で話ができることだと思っています。

■7月26日
集団で行動することが学校ではたくさんあります。

給食当番が給食室へ行く時。
クラスみんなで特別教室へ移動する時。
身体測定で保健室へ行く時。
・・・・・・・
「並びましょう」
という教師の指示で子ども達はその準備をします。

そのような時によく聞く言葉(口にしてしまう言葉)は、
「静かにしてください」
です。おしゃべりが出てしまうからです。
どうしても遅れてしまう子どもがいるので、
並んでいる時に騒がしくなってしまうのです。
そのうち静かに並んでいた子どもも騒ぎ始め、全体が乱れてくるのです。
逆に、「静かにしてください」の注意ががうるさくなるほどです。

そんな時は、
「並びながら出発」
と言って移動を始めるのです。
全員が並び終わるのを待たないのです。
さっさとスタートするのです。

目的地に到着するまでに遅れた子どもも列の中に入ります。
時間も短くてすみますし、
「静かにしてください」の雑音もなくなります。

一つひとつのことを完璧にやろうとし過ぎて、
結局はどれもできなかったというケースが学校には多いようです。
エネルギーは使ったけれども効果はなかった、というケースです。
この「~しながら出発」をうまく活用すれば、そのようなことにはなりません。

「~しながら出発」

■7月29日
この言葉はよく使います。
授業中が多いですね。
理由を問うのです。
最初は「理由を考えて答える」ということができませんでした。
ですから、毎時間といっていいほど「なぜですか?」と問い続けました。

子ども達も慣れてくると抵抗なく理由を答えられるようになってきました。
例えば・・・・
AかBか自分の考えを決めさせた後に、
「では、先生は次に何と聞くでしょう?」
と問うと、サッと手が挙がり、
「理由」
と答えられるほどになったのです。(笑)

学習中に理由を出し合い、
それらを検討し合えるようになると学習が深まります。
みんなで学習している雰囲気が出てきます。
大袈裟かもしれませんが「知的」な感じがしてくるのです。

何かあるとすぐに、

「なぜですか?」

【ここまでのまとめ】
新学期が始まり、教師の望む方向への学級づくりの1学期版である。

具体的な行為を教師が要求する、
その時に教師の発する言葉、態度がポイントとなる。
厳しさとユーモアを交えながら指導していくのである。
1学期は「まだ」子ども達にも緊張感があり、教師も新鮮な気持ちであるので「楽」である。
が、ここでその「楽」な気持ちのままで過ごしていると、後の2学期以降が大変である。
いたるところから「ほころび」が出てくるからである。

このように自分の実践をふり返って気がつくことは、
・もう少し子どもを見る視点を増やすこと
・子どもの事実をもっと集めること
・その事実を厳しく分析すること
である。大きな反省点である。


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